緊急事態!ミャンマーから日本に犬の血清を輸出
こんにちは。去年の4月から巣ごもり生活を続けている、うめのパパです。
去年の9月には自宅待機の要請、今年の2月からは緊急事態宣言です。理由は色々ですが、引き続きステイホームです。
本当は、去年の秋に一時帰国する予定でした。そのとき、うめの血清も持って帰って狂犬病の抗体検査をしようと思っていました。
でも、今の状況で帰国してしまうと、ミャンマーにいつ帰ってこられるかが分かりません。うめと、いつまでか分からないお別れなんてできません。
はじめに
去年の4月から、一度ミャンマーを出ると次いつ入国できるか分からない状況になりました。
それでも“秋には大丈夫だろう”って思ってたのですが、そうではありませんでした。
“秋に帰れそうにないなぁ”と思いだしたころ、友だちが9月に帰国予定だと連絡をくれました。それで、うめの血清を持って帰ってもらうことにしたんです。
動物検疫所に連絡
ペットや犬の血清を日本に輸入する場合は、動物検疫所で検疫を受ける必要があります。(猫の血清は必要ありません。)動物検疫所の人は、みんな親切です。
動物が好きだからこの仕事をされているからなのかもしれませんが、なんとか助けになろうと忙しい中いろいろ手伝ってくださいます。
中国からうめを連れて帰った時と同様、何が必要かを確認しておきました。
輸入検査申請書の提出
輸入検査申請書を前もって提出する必要があることを教えていただいたので、それを記入してメールしました。
感染症対策の関係で、どの飛行機が予約できるか分からない状況だったため、分かる範囲での記入でしたが、とりあえずはそれでも良いようです。
緊急ミッション
友だちの帰国までに、必要な書類や血清を準備できるようスケジュールをたて、動物病院に確認の電話などをしておりました。
すると、2020年9月9日か10日だったと思います。ヤンゴン全域に自宅待機の要請が出されてしまいました。
自宅待機要請
自宅待機では、血清を日本に持ち込むための手続きができないじゃないですか。(詳しくは下のリンクから動物検疫所のページをご覧ください。)
それで、在ヤンゴン日本国領事館に電話しました。すると、“帰国のための外出なら問題ない”ということでした。ほかにも外出時のアドバイスをいただきました。
血清採取と証明書取得の準備
もともとスケジュールを組み連絡などをしていたこととはいえ、突然9月10日の1日ですべての手続きを決行しなければならないことにしました。
動物病院
うめをゲージに入れ、必要な物を持ってタクシーに乗ります。
向かうは動物病院ですが、今回は輸出手続きのため、対応可能な動物病院はヤンゴンで一軒だけです。その他の病院でも採血だけならできると思いますが、証明書が発行できません。
276(B), Pyi Thar Yar Street, Tamae Township, Yangon, Myanmar
+95-1-559890
場所
各種証明書の発行
血清をミャンマーから日本に輸入するために、いくつかの証明書が必要ですが、それが発行できるのはCrown Veterinary & Medical Resourcesだけなんです。
Crown Veterinary & Medical Resourcesで書き込んでもらう必要がある書類は、以下の通りです。
- 「臨床的に健康な(又は伝染性疾病にかかっている疑いのない)犬から採取された血清である」旨の証明書
- 狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
「臨床的に健康な(又は伝染性疾病にかかっている疑いのない)犬から採取された血清である」旨の証明書
推奨証明書洋式を印刷し、そこに書き込んでもらいます。
下半分は、政府機関が記入するところなので、白紙のままでけっこうです。ぬけがないかどうか、確認してください。
もし時間があるなら、写真を撮って連絡を取り合っている日本の動物検疫所にメールで送り、問題ないか確認してもらってください。
狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
今回も、一般財団法人生物科学安全研究所(RIAS)でお世話になることにしました。
前もって連絡し、飼い主と輸入者が違うので、申請書の書き方やそのほか注意しなければいけないことを教えてもらいました。
上のサイトから狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)をダウンロードし印刷しておきます。獣医さんに記入してもらうので、英語版がいいでしょう。
注意点
- 血清:最低1mL
- 「臨床的に健康な(又は伝染性疾病にかかっている疑いのない)犬から採取された血清である」旨の証明書:獣医さんが書いた証拠をもらう(スタンプなど)
- 狂犬病抗体検査証明書(兼申請書):
採血後
各種証明書と血清を受け取り、時間がなかったので動物検疫所に不備がないか電話で確認しました。(あとでメールをしたら、不備が発覚しました。)
料金は、10,000mmkでした。
政府機関から発行される証明書取得
次に、“「臨床的に健康な(又は伝染性疾病にかかっている疑いのない)犬から採取された血清である」旨の証明書”を仕上げます。
そのためには、政府機関に行く必要があります。
LBVD
向かうはLBVDつまりLivestock Breeding and Veterinary Departmentです。そこの、Import & Export Inspection Sectionで手続きができます。
Import & Export Inspection Section
場所
Min Dhama Rd.側からは入れません。裏側に回ってください。
この先を右に行くと、青い屋根の建物に入れます。VETERINARY DIAGNOSTIC LABORATORY YANGONの看板があります。
しかし、こちらでは手続きできません。右ではなく左に曲がってください。
奥の建物に入ってください。
入ってすぐに、受付があります。
手続き
受付で申請書類に記入します。
必要な物
- 血清を持って帰る人のパスポートのコピー
- ミャンマーの住所
- 現在有効な狂犬病抗体検査証明書
- 獣医さんが記入済みの「臨床的に健康な(又は伝染性疾病にかかっている疑いのない)犬から採取された血清である」旨の証明書
- 獣医さんのサインをもらった狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)
- 狂犬病ワクチン接種手帳のコピー
- 犬のデータ(名前、年齢、犬種、性別、マイクロチップNo.
- 血清
- 手数料
衛生証明書発行
すべての書類を渡して待っていると、犬の血清を日本に輸入するのに必要な証明書が発行されます。
これがあれば、日本の動物検疫所は手続きをしてくれます。手数料は、10,000mmkです。
動物検疫所に再度連絡
確認
すべて取得できたものの写真を、メールで日本の動物検疫所に送って確認してもらいましょう。輸入検査申請書も、すべての情報を書いてメールにて送付してください。
当日
入国手続き後、動物検疫所の窓口に行きます。
必要な物
分かったこと
中国からうめを連れて帰った時の書類と照らし合わせると、ミャンマーで取得しなければならないのは、政府発行の衛生証明書です。
おそらくペット(犬・猫)を連れて帰る時は、以下のことが血清の輸入時と違います。
動物病院で
動物病院で、ペットが狂犬病及びレプトスピラ症(猫は狂犬病のみ)にかかっていない又はかかっている疑いがないことを、証明してもらう必要があります。
おそらくそのため、血液検査などを受ける必要があると思います。その検査費用がかかるものと思われます。
また、狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)は必要ないと思います。詳しくは、動物検疫所にペットの輸入時に狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)が必要かお尋ねください。
LBVDで
こちらでも、輸入するものを見せる必要があるので、ペットを連れて行く必要があるでしょう。施設に犬がいるためゲージに入れて連れて行ってあげましょう。
もし、動物検疫所に狂犬病抗体検査証明書(兼申請書)を提出する必要がなければ、こちらでも必要ないはずです。
注意点
手続き方法や、必要な物が変わることがございます。必ず動物検疫所とコミュニケーションを密に取るようになさってください。
また、ミャンマー側の手続きも変更される可能性があります。特に、Livestock Breeding and Veterinary Department Import & Export Inspection Sectionの指示には注意してください。
前もって電話してから伺うようになさってください。必要なことを教えてもらえます。
ペットをミャンマーから日本に輸入したことはまだありません。ペットの輸入に関する記述は、経験からの予想にすぎません。
大変申し訳ございませんが、もし手続き方法や必要な物などが違ったとしても責任は負いかねます。ご自身で、お調べいただくようお願い申し上げます。
この度も、動物検疫所の皆さま、一般財団法人生物科学安全研究所(RIAS)経営企画部 業務管理室の皆さまには、親切にしていただきました。
本当に本当に、ありがとうございました。
日本からミャンマーにペットを連れてくる方法については、下の記事に書いています。参考になさってください。
※2021/2/19 LBVDで必要な物の一覧を更新しました。
緊急事態宣言下での手続きだったため、正式な方法かは分かりませんが、必要書類を発行してもらうことができました。下の記事をご参考になさって下さい。