コスパ最高!役員借入金を減らす3つの方法
こんにちは。うめのパパです。
感染症対策のため、ヤンゴンで一番有名なお土産街のボージョーアウンサンマーケットも、閉鎖されたままです。
ミャンマーで会社を設立することを検討中の投資家の皆さま、まずは知っておいたほうがいいことを下の記事にまとめました。ぜひ、ご覧ください。
役員借入金
感染症対策や2月1日からの非常事態宣言ゆえに、会社を維持するだけでも大変だと感じておられる社長さんも少なくないでしょう。
一定の支出は存在し続ける中、収入の見通しがたたないのは、大変です。そんなときに選択肢に上がってくるのが、役員(社長)から運転資金を借入することです。
役員からの借入金については、下の記事で書いております。もしよろしければ、ご覧ください。
増える一方の役員借入金
上の記事でも取り上げましたが、資本金を1米ドルなど低額に設定すると、たちまち会社が運転資金を持ち合わせていない状況になってしまいます。
もちろん、2020年初めからのパンデミックにより収入が激減し、資金繰りが大変になっている場合でも同じです。
でも、最低限必要な運転資金をカットするのは至難の業です。オフィスや店舗の家賃などは、会社を維持するためには基本的に必要な費用だからです。
すると、役員借入金を売り上げで返済してしまう前に、家賃の支払になどの期日がせまってきて、また役員からの借入を繰り返すことになりかねません。
このように、雪だるま式に役員借入金が膨れ上がっていくことがあります。これには、上の記事で取り上げたようにリスクが伴います。
役員借入金も負債の1つ
また、借入金が増えると言うことは、負債をが増えると言うことなので、もし営業利益が上がっていたとしても、健全な経営状態ではないと判断されかねません。
金融機関だけでなく、取引先企業からの信頼を得るためにも、役員借入金を含め負債を健全なライン以下に保つに越したことはありません。
では、役員借入金を減らすにはどのような方法があるのでしょうか。
役員借入金を減らす方法
役員借入金(簡単に言うと借金)を減らし、できるだけ健全な経営状態を保つには、どうすればいいのでしょうか。
以下のような方法で、役員借入金を減らすことが可能です。
- 役員借入金の返済
- 資本金の増資
- 役員借入金の債務免除
役員借入金の返済
売上が十分に上がっていたり、役員報酬が支払える状況にある法人の場合、借入金の返済を優先するのがいいでしょう。
役員報酬額を減らして、その額を役員借入金の返済に充てるようにすることもできます。節税の観点から言っても、メリットがある方法です。
しかし、もし役員借入金に対して利息を支払うのであれば、役員側に収入が発生することになります。
一般的に利息は雑収入となりますが、収入には変わりないため、所得税の申告などに影響してきます。所得税のことなども考えながら決めるほうがいいでしょう。
ミャンマーでの所得税の申告と日本の所得との関係について、下の記事にまとめています。もしよろしければ、ご覧ください。
資本金の増資
役員借入金を役員に返済するほどの売り上げがない場合、利用できる1つの方法に資本金の増資があります。
新たにお金を準備するというより、役員が法人に貸し付けているお金を借入金から資本金に変えてしまう方法です。
そして、資本金として会社の運営資金になったお金を使って、役員に借入金の返済をすることで役員借入金を減らすことができます。
しかし、資本金の増資で役員借入金を減らす方法を選択する場合、気をつけなければいけないことが2つあります。
資本金増資の手続き
ミャンマーでは、資本金の増資をするためには最低3つのステップを踏む必要があります。
1つ目のステップは、DICAのMyCOシステム上での資本金増資に関係する処理が必要になります。
2つ目のステップは、増資分の資本金を銀行に入金する必要があります。外資系企業である場合、海外送金にて入金することが求められます。
海外送金については、下の記事にまとめています。是非参考になさってください。
3つ目のステップは、資本金を入金した銀行にCredit Adviceを発行してもらわなければなりません。
もし、法人が役員借入金を運転資金としてすでに使っており、手元に現金が残っていない場合、増資分の現金を用意し、かつ海外から送金するのは簡単ではないでしょう。
その場合、少しずつ少しずつ資本金を増資していくことになります。そのたびに、DICAのMyCOシステム上での処理に関係する手数料が必要になります。
また、銀行でCredit Adviceを取得する時にも、少額とはいえ手数料が必要です。海外送金にも利用手数料がかかります。
それらを考慮に入れたうえで、資本金の増資によって役員からの借入金を減らすことが現実的か、判断するほうがいいでしょう。
役員借入金の債務免除
法人の役員からの借入金を減らすもう1つの方法は、役員借入金の債務免除です。役員個人が、法人に借入金の返済を免除するという方法です。
簡単に言うと、役員が借金をチャラにしてあげるってことです。これはとても簡単な手続きのように思えますが、デメリットもあることを忘れてはいけません。
債務免除された金額は、法人側の“債務免除益”という利益になってしまうんです。詳しくは、債務免除益 - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)をご覧ください。
ミャンマーでは、債務免除した金額(債務免除益)をOther Income(雑収入)に計上することになります。
債務免除益とCommarcial tax(商業税)
役員借入金の債務免除で気をつけなければならないのは、Other Income(雑収入)と税金の関係です。特に留意しなければならないのは、Commarcial tax(商業税)とIncome tax(法人税)です。
営業収入ではないため、Other Income(雑収入)に直接Commarcial tax(商業税)はかかりません。
しかし、年間の収入が50,000,000mmkを超えたとき、すべての収入にCommarcial tax(商業税)が5%かかることになります。もちろん、すべての収入にOther Income(雑収入)も含まれます。
年間の収入が50,000,000mmkの小規模会社とCommarcial tax(商業税)の関係については、下の記事にまとめました。ご覧ください。
債務免除益とIncome tax(法人税)
また、役員借入金の債務免除を実行する際、Income tax(法人税)にも注意が必要です。
会社経営で、黒字経営を目指すのは当然のことです。しかしミャンマーの税法では、黒字経営になった途端に、Income tax(法人税)がかかってきます。
そのため、役員借入金の債務免除を行わなければ黒字経営にならない場合、役員借入金のうちどれだけの金額を債務免除するか調整することで、節税が可能です。
役員借入金の債務免除により効果的に役員借入金を減らすため、Commarcial tax(商業税)とIncome tax(法人税)に少し気を付けるようになさってください。
今回は、役員からの借入金を減らす3つの方法を取り上げました。貴社のニーズに合ったコスパ最高な方法が見つかることを願っております。
オフィスや店舗などの賃貸で気をつけなければならない印紙税について、下の記事に書きました。もし良かったら、ご覧ください。